任意売却の解説<vol.5_区分建物所有法第59条>

2021.01.20 / ニュース&ブログ一覧

みなさん、こんにちは。PLY不動産研究所の鈴木です。

本日はブログ「vol.1_競売申立手続きの流れ」でお伝えした3種類の競売のうちのひとつ「民法、商法その他の法律の規定」による競売の中から、「区分建物所有法59条による競売」について説明します。

<区分建物所有法59条>

民事執行法では強制執行、担保権の実行以外に、「民法、商法その他の法律の規定」に基づいて競売ができることが明文化されています。

区分建物所有法59条の競売はそのような競売の中のひとつです。では区分建物所有法59条の条文を見てみましょう。

区分建物所有法59条「第57条第1項(共同の利益に反する行為をやめるよう請求することができるという条文)に規定する場合において、第6条1項(区分所有者の権利義務等)に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。(以下省略)」

e-gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」より

とあります。

上記のような状況になった場合に、管理組合での特別決議(四分の三以上)をもって訴えを提起し裁判所の判断を仰ぐことになります。

ただしこの59条の競売については、簡単にできるかといえばそうでもありません。区分所有者である私人の財産を強制的に安価で換価させる行為であることはもちろん、金融機関等の抵当権者を含めて第三者の権利を害することにもなるわけですから、裁判所もかなり慎重な対応をせざるを得ません。また管理組合側の視点で言えば弁護士費用を含む訴訟費用なども安くはありません。

しかし逆に59条の競売が認められたとなると、管理組合は是が非でもその区分所有者を排除したいでしょうから、例えば滞納している管理費等を全額払うから競売を取り下げて欲しいという希望は受け入れてもらえない可能性が高いでしょう。

またリースバックで住み続けるために投資家名義で購入をしてもらうということも厳しいでしょう。なぜなら59条4項「本競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買い受けの申出をすることができない。」という法律が規定されているため、管理組合代理人弁護士は任意売却での買い受け人にも同様の対応を求めるものと想定されます。

本日は以上です。

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