任意売却の解説<vol.3_担保権の実行>

2021.01.19 / ニュース&ブログ一覧

みなさん、こんにちは。PLY不動産研究所の鈴木です。

先日、競売の申立には以下の通り3つの種類があることはすでにご説明しました。(ブログ「vol.1_競売申立手続きの流れ

1、強制執行による競売

2、担保権の実行による競売

3、民法、商法その他の法律の規定による競売

強制執行についてはブログ「vol.2_強制執行」でご説明させていただきましたので、本日は2つ目の「担保権の実行」について説明していきたいと思います。では早速ですが「担保権」と「実行」について見ていきましょう。

<「担保権」と、その代表格「抵当権」とは?>

「担保」という言葉はみなさんも耳馴染みがあるのではないでしょうか。債務の履行を保全する目的として債務者が債権者に提供するものです。担保は「物的担保」と「人的担保」とがあります。(「担保」の細かい分類については割愛させていただきます。)

その担保権の中で代表格といわれるものが物的担保である「抵当権」です。「抵当権は」民法では以下のように規定されています。

民法369条「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。(以下省略)」

e-gov法令検索「民法」より

この抵当権といわれるものは「物権」のひとつです。物権とは物に対する権利のことで、人に対する権利である「債権」と区別されています。担保として似たものに「質権」があります。質屋さんがやっている業務を思い浮かべてもらえばわかりやすいです。質権では担保としてその物自体を債権者が占有し、債務が不履行となった場合にその物から優先的に弁済を受けます。それに対し抵当権は不動産の占有自体は債務者にそのまま残ります。条文にある「占有を移転しないで」とは抵当権の特徴を説明したものなのです。

よって現実の取引では、売主は売買代金を返済原資として、抵当権の順位に応じて弁済し抵当権の抹消をしてもらいます。これは抵当権が優先的に弁済を受ける権利を有しているからです。

もちろん競売で代金納付がされて裁判所が配当をする時も、抵当権は優先的に配当を受けられます。

<担保権を「実行」するには?>

ではどのような状態になったら担保権を実行されてしまうのでしょうか。

担保権を実行するには履行期(債務を返済する期限)になっても返済がされないという「債務不履行」の状態になっていないといけません。履行期は、金銭消費貸借契約でお互いに合意した月々の返済日や最終返済日(例 10年ローンであれば10年後)がそれにあたります。

それともうひとつ、約定の履行期を取り決めしていても、急に履行期が訪れることがあります。それは金銭消費貸借契約の中で取り決めのある「期限の利益」が喪失した時です。

「期限の利益」とは借りたお金を長期に渡って分割で支払うことができるという、債務者に認められている利益のことです。住宅ローンを35年で返済できるのも期限の利益があるからこそ長期に渡って返済することができるのです。また期限の利益が認められているうちは、債権者は例えお金に困っているといっても債務者に一括請求することができません。

要するに

1)金銭消費貸借契約上の最終弁済日を過ぎた

2)金銭消費貸借契約上の期限の利益の喪失事項に該当して一括請求されるも、その返済日を過ぎた

のいずれかの状況になったら債権者は担保権を実行することができてしまうのです。

本日は以上です。

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