任意売却の解説<vol.2_強制執行>

2021.01.18 / ニュース&ブログ一覧

みなさん、こんにちは。PLY不動産研究所の鈴木です。

前回のブログ「vol.1_競売申立手続きの流れ」の中で、民事執行法では

1、強制執行

2、担保権の実行

3、民法、商法その他の法律の規定

に基づいて競売申立が認められていると説明致しました。本日はそのひとつ、「強制執行」について説明していきたいと思います。

<強制執行とは>

法治国家である日本では、当事者間に争いがある場合に裁判所に訴えを提起して裁定を下してもらえるという権利を有しています。では仮にご自身が当事者であった場合、勝訴判決で債権の所在を認められたにもかかわらず、相手方が債務の履行に応じてくれないとなったらどうでしょうか。裁判所に「債権は認めるけれども債務の履行請求は勝手にやってね」となったら困ってしまいます。そうかといって判決を得たらなんでも強制執行できるとなったら秩序ある社会は保てません。つまり強制執行とは法治国家の要請として、秩序ある解決のため執行機関を通じて債務の履行を強制することができるよう制度化されたものなのです。

上記での説明の際に「債務の履行」という言葉を使わせていただきましたが、それには理由があります。強制執行とは、住宅ローンなどの債務の返済だけに限らないからです。では民事執行法ではどんな種類が明記されているでしょうか。確認していきましょう。

1、金銭の支払を目的とする債権

1)不動産
所有権のみならず、地上権・永小作権もしくはこれらの共有持分も強制執行の対象となります。

2)船舶

3)動産

4)債権及びその他の財産権
給与の差し押さえなどはこちらに該当します。会社から労働の対価として得るべき給料債権を、直接こちらに支払うよう命令がなされます。

5)扶養義務等に係る金銭債権
婚姻費用や養育費などは確実に支払いを受ける要請が強いため、法律上特例が認められています。

2、金銭の支払を目的としない債権

賃料不払いの賃借人に建物を明け渡してもらうよう強制執行するケースなどがこちらに該当します。金銭の支払いを目的としておりません。

船舶や動産の説明は割愛しましたが、強制執行は民事執行法でこのように分類して規定されています。

<強制執行に必要な書類>

では実際に執行機関に強制執行をしてもらうためには、どのような書類が必要なのでしょうか。3つございます。

1、債務名義

2、執行文

3、送達証明書

個別に見ていきましょう。

1、債務名義

簡単に言うと「強制執行の許可を認める文書」のことです。各裁判所や公証役場などの公的機関立ち合いのもとで認められた法律関係の所在やその債権債務について、結果として残された文書のことを言います。以下のようなものが挙げられます。

1)確定判決
2)仮執行宣言付きの判決
3)支払督促+仮執行宣言
4)執行証書
5)仲裁判断+執行決定
6)和解調書
7)認諾調書
8)調停調書

2、執行文

債務名義があったとしても、その執行力が現存するとは限りません。例えば債権債務の関係が、時間の経過とともに変化していることもあります。例えば相続であったり、会社の合併であったりです。このような問題を回避するために執行力があることを証明しなければなりません。これを「執行文の付与」といいます。

「執行文の付与」は証明することができる資料を保有している機関が行います。判決や調書などはその裁定を下した裁判所の書記官が、執行証書はその原本を保管している公証人がその証明を行います。

3、送達証明書

強制執行をするにあたり、債権者が「債務名義」「執行文」を用意して執行機関に申立てをします。民事執行法の条文では、申立ての際には、あらかじめ又は同時に債務者に「債務名義」および「執行文」を送達しなければならないと明記しています。債務者にも事前に通知することで、弁済や反論の機会を与えるという必要があるからです。

本日は以上です。

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